チェルシー・フィンは、周囲の環境を観察および模索することで学習するロボットを開発している。フィンのアルゴリズムでは、通常の人工知能(AI)を訓練するのに必要となるデータ量よりも少ないデータ量で訓練ができる。その量は非常に少なく、ソフトウェアを実行するロボットが、人間が動作する映像を1本見るだけで、物体を操作する方法を学べるほどだ。
フィンのロボットは、幼児のように振る舞う。大人が何かをするのを見て、真似をするのと同じだ。研究室にある木製の形合わせのおもちゃには、ロボットが赤いキューブを四角い穴にはめることを学ぶまでに何度もぶつけた場所に跡が残っており、このプロセスを証明している。
フィンの究極の目標は、特定のタスクを実行できるようにプログラムされているのではなく、一般的なスキルセットを自ら観察して学ぶように教え込まれているロボットを送り出すことだ。こうしたロボットは、工場でエンジニアチームに訓練されなくても学べるロボットや、ラベル付けされた画像で訓練しなくても物体を認識できる人工知能(AI)システムの開発につながる可能性がある。
フィンは、ロボットの妥当な中間目標を、テーブルのセットの仕方を教えることだと考えている。はじめに、複数の物体を配置する方法を学べるロボットを作る。「いろいろな意味で、ロボットシステムの能力はいまだに乳児レベルです」とフィンは話す。「彼らに常識を習得させることが目標です」。
(キャサリン・ブルザック)