すべてのトランザクションを公開情報として処理するのはブロックチェーンの「お約束事」だが、現実には問題がある。トランザクションの中にはビジネスとは関係のない、公開できない情報があるからだ。しかし、アレッサンドロ・キエーザ助教授が共同で開発した暗号通貨Zキャッシュ(Zcash)を使うと、安全なだけでなく、財布から現金で20ドル札を手渡すのと同じくらい、匿名性が高い取引ができる。
それはZキャッシュが、ゼロ知識証明(「2018年版世界を変えるテクノロジー10:完璧なオンライン・プライバシー」参照)と呼ばれる暗号プロトコルを使っているからだ。つまり、他の情報を明かさずに、取引する両者に正しい取引だと証明できる優れた方法なのだ。
Zキャッシュは、買い手や売り手の居場所、医療情報、その他の個人情報を公開してしまう恐れがあるトランザクションに対して大きな意味を持つ。Zキャッシュにより人々は、プライバシーを危険にさらしたり、個人情報を盗まれたりするリスクを負うことなくオンラインで取引ができるようになるのだ。キエーザ助教授が4年前に立ち上げたZキャッシュの時価総額は現在、10億ドルを超えている。
(ダン・ソロモン)
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