医療画像は病気の診断に極めて重要だが、画像が微細になればなるほど、人間が解釈するのはどんどん難しくなる。シンジニ・クンドゥは、医療画像を分析して、肉眼では検出不可能なパターンを発見する人工知能(AI)システムを開発した。クンドゥのイノベーションは、病気の検出と治療に根本的な影響を与える可能性がある。
「隠れた変化があったとき、目に見えないパターンを検出する方法があれば、症状が現れる前に早期診断が可能になるでしょう」とクンドゥはいう。
パターンを見い出すのを自ら学習するAIアルゴリズムはすでに存在する。しかし、理由を説明することはできない。医療診断では、これが制約となりかねない。どのように、またなぜ病気にかかるのかという知識がある程度なければ、対処できないからだ。
クンドゥのシステムを使えば、コンピューター・ビジョンにより、目に見えないほど微細な初期段階の病気の過程を示すパターンを見つけられる。彼女はさらに、AIを訓練して、独力で画像から疾病の目印を抜き出して見せられるようにした。そうすれば、病気が発症する数カ月前から数年前に、人間がそれを認識できるようになる。すなわち、人間がAIに教えるだけでなく、AIが人間に教えることができるわけだ。
(エリカ・べラス)