
再生可能エネルギーが機能するには電池が必要だ。さもなければ、太陽が沈んだり風が吹かなかったりしたときに、電灯が消えてしまう。テスラやヒュンダイのような企業は、オーストラリアと韓国にサッカー場規模のリチウムイオン電池を建造することでこの問題を解決しようとしている
しかし、このような巨大電池は高く付く。
「リチウムイオン電池には、使用する材料によって決まるコスト下限があります」と、フォーム・エナジー(Form Energy)のウィリアム・ウッドフォードCTO(最高技術責任者)はいう。「どれだけ安く組み立てようとも、一定量の有効成分があって、そのコストがかかります」。したがって、イーロン・マスクがいかに大きくて安い電池を作れると言っても、どこまで安くできるかには限界がある。たとえば炭酸リチウムは1トンあたり2万ドルする。
この問題を解決するため、ウッドフォードは金属硫黄反応が、エネルギー貯蔵時間とコストの面で、リチウムイオン電池テクノロジーに勝る可能性を持つことを突き止めた。おまけに、硫黄は安くて豊富に存在するうえ、石油やガスを生産する際の廃棄物として利用されずに捨てられることが多い。
(ダン・ソロモン)
- 人気の記事ランキング
-
- A Google Gemini model now has a “dial” to adjust how much it reasons 推論モデルは「考えすぎ」、グーグルがGeminiに調整機能
- What is vibe coding, exactly? バイブコーディングとは何か? AIに「委ねる」プログラミング新手法
- Meet the researchers testing the “Armageddon” approach to asteroid defense 惑星防衛の最終戦略 科学者たちが探る 「核爆発」研究の舞台裏
- Anthropic can now track the bizarre inner workings of a large language model 大規模言語モデルは内部で 何をやっているのか? 覗いて分かった奇妙な回路
タグ | |
---|---|
クレジット | Photograph by Dina Yuryev |
著者 | MIT Technology Review編集部 [MIT Technology Review Editors] |