「量子コンピューター」という単語を聞いたことがある方は多いと思いますが、きちんと理解する機会はなかなかありません。MITテクノロジーレビューは物理学者で東工大教授の西森秀稔氏をお迎えして、「MITTR Emerging Technology Conference #2〜量子コンピューターは社会をどこまで変えるのか〜」を3月13日に開催します。
量子コンピューターはカナダのD-Wave社によって商用化され、ロッキードやNASAも導入を始め、Googleは量子人工知能研究所で開発を始めています。汎用コンピューターの1億倍の処理スピードを持つ量子コンピューターとはどのようなものでしょうか。
前半は「量子アニーリング方式」の提唱者の1人である西森教授に、量子コンピューターの原理と昨今の技術動向についてご講演いただきます。後半はMITテクノロジーレビュー編集長の中野克平と「量子コンピューターが生み出す社会的インパクト」について議論していきます。
登壇者
西森 秀稔(にしもり ひでとし)
職歴
1981 米国カーネギーメロン大学 研究員
1982 米国ラトガース大学 研究員
1984 東京工業大学理学部 助手
1990 東京工業大学理学部 助教授
1996- 東京工業大学理学部・大学院理工学研究科(2016年より理学院) 教授
2011-15 東京工業大学大学院理工学研究科理学系長・理学部長
社会貢献
1996-99, 2003-05 日本物理学会理事
2011-12 日本物理学会論文賞選考委員長
2006-09, 2011-17 日本学術会議連携会員
2005-06 文部科学省科学技術・学術審議会専門委員
2003-07 国際純粋・応用物理学連合 統計物理学部会(IUPAP C3) 委員・幹事
2004-06 英国物理学会論文誌 数理物理学分冊 統計物理学編集責任者 (Journal of Physics A, Statistical Physics Editor)
2006-08, 2013-15 東京大学物性研究所人事協議会委員
2015- 仁科記念財団運営諮問委員
2015- 京都大学数理解析研究所運営委員
他,各種公的機関(大学,研究所,研究資金配分機関,財団等)の委員多数
受賞
1990 日本IBM科学賞 「ゲージ対称性を用いたスピングラスの理論的研究」
2006 仁科記念賞 「ランダムスピン系における「西森線」の発見」
2001-15 英国物理学会フェロー
2014 日本イノベーター大賞特別賞 「量子アニーリングの考案」
2016 東工大教育賞最優秀賞「授業参観等による教育の質の向上のためのシステムの開発と実践