次世代Eラーニングで変わる能力考課、AIで社員のスキル丸裸に
オンライン・ラーニングに対する注目が高まる一方で、多くの企業が、従業員にどの講座を受けさせるべきか、どれだけ効果があるのかで悩んでいる。オンライン・ラーニングで1400社の顧客企業を持つ米国のスタートアップ企業が、機械学習を用いて、学習者に適した講座をマッチングしたり、従業員の習熟度を評価したりするツールを発表した。 by Elizabeth Woyke2018.08.15
企業がオンライン・ラーニングを実施する際にぶつかる難しい問題がある。それは、コーセラ(Coursera)やエデックス(edX)、ユダシティ(Udacity)などのWebサイトを筆頭に、利用できるコンテンツが豊富にありすぎて、どのコンテンツを従業員に学ばせればよいのか分からなくなってしまうことだ。加えて、いったん学習プログラムを選択した後、従業員がどんなスキルをどの程度習得したかを把握するのが難しいという問題もある。企業は、習熟度を評価するための客観的な指標を必要としている。
ベイエリアのスタートアップ企業であるコーセラが開発した、人工知能(AI)を利用した新たなツールは、まさにそのような指標を測定するためのものだ。コーセラが8月8日に発表した機能を使えば、同社の教育プログラムを契約している企業は 、従業員の誰が最高得点をあげたのかをはじめ、従業員のスキルが競合他社の従業員のスキルと比べてどのレベルまで達しているか、どの講座を取れば不足する知識の差を埋めるのに役立つかといったことを把握できる。コーセラの情報オンライン・ダッシュボードで動作し、機械学習を使用して洞察を導き出すこのツールは、2018年後半に利用可能になる見込みだ。
コーセラの新機能は、オンライン・ラーニングのプロバイダーがAIを使って学習者に適した講座をマッチングし、能力を評価し、フィードバックに応じて授業内容を微調整する方法のほんの一例にすぎない。コーセラのデータサイエンス・チームは、「データ・ウェアハウスでデータを収集・保管し、情報を解釈して内部決定をすることから、サイトへのフィードバックをするアルゴリズムの構築まで、あらゆることに取り組んでいます」とエミリー・グラスバーグ・サンズ主任は語る。ユダシティが2017年に設立したAI研究チームは、学生の感情を分析してレッスンの改善方法を探ったり、学習者がレッスン内容の変更を望んでいるかを計算したりしている。ユダシティはまた、AIベースのチャットボットを使用して、学習者が講座登録の際に関連する講座を見つけるのを支援したり、よくある質問に答えたりしている。エデックスは、AIを使って、どのようにすれば人々がより良く学び、教えられるようになるかを調べていると話す。
このようなAI機能でオンライン・ラーニングにおける最重要課題に対処できれば、さら …
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