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AIは第2の「宇宙開発競争」、米シンクタンクが警告
包括的な人工知能(AI)開発計画を最優先で進めなければ、米国は世界における経済的・政治的な地位を失う可能性がある。ワシントンD.C.に拠点を置くシンクタンクである新アメリカ安全保障センター(CNAS)は、手厳しい警告を発する新たな報告書を7月25日に発表した。
中国やインド、フランス、英国といった他の国々は、AI開発を国家主導の主要政策と位置づけ、開発に取り組んでいる。米国も他国にならい、国家主導で開発を進めるように多くの専門家が薦めているが、トランプ政権は驚くほど放任している。
CNASの今回の調査書は、AIが将来、 防衛・外交・諜報機関・経済競争力・ 社会の安定といった分野に非常に幅広く影響すると述べる。そのため米国政府は、AI開発を第2の「宇宙開発競争」と捉えるべきだと主張する。
「もし、AIの開発・導入で後れを取った場合、世界経済や軍事的統率力における米国の地位が危うくなるでしょう。 米国が第2の宇宙開発競争に加わる可能性は高いのです。しかし、 中国と異なり、広く公衆や政策立案者の視点から見た場合、本当の『スプートニク・モーメント(軍事力や技術力で他国に出し抜かれる瞬間)』を米国はまだ経験していないのです」。
AIは今や、シンクタンクや政策立案者から大きな関心を集めている。今回の新たな調査報告書は、CNASのAIに関する3部構成の調査書の最終版である。前回の2つの調査書ではAIに関連する国際安全保障や政策課題が扱われている。
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