視聴データ収集はプライバシー侵害?テレビのネット化が進行中
もしインターネットに接続したテレビを見ているなら、テレビの向こう側からも見られているかもしれない。
ニューヨーク・タイムズ紙はテレビ視聴者の視聴習慣を追跡するサービスの台頭について7月5日、詳しく報じた。特に注目したのはサンバTV(Samba TV)という企業だ。サンバTVは 米国のスマートテレビ約1350万台にインストールしたソフトウェアを利用して、人々が何を視聴しているかを秒単位で情報収集しているという。
2017年、類似の問題で米国連邦取引委員会(FTC)はビジオ(Vizio)に対して220万ドルの罰金を科している。しかし、この罰金はビジオがユーザーの同意を得ずに収集したデータを第三者に販売したから科せられたのだ。サンバTVがしていることは紙一重だ。サンバTVは料金を支払って、ソニーやフィリップスのようなテレビ・メーカーにソフトウェアを搭載してもらっているが、集めたデータの販売はしていない。その代わり、サンバTVは集めた情報を利用して、ターゲティング広告を販売している。
視聴者は、恐怖のあまりテレビのプラグをコンセントから引き抜いてしまうかもしれない。あるいは、気にしないかもしれない(サンバTVによると、ユーザーの90%はこのサービスに同意しているという)。 どちらにせよ、この種のことが人々のお茶の間で進行している可能性はあるのだ。また、サービスの影に隠れている企業は、必ずしも視聴データを収集していることを、わざわざ知らせてくれるわけではない。