グーグル創業者が指摘する、AIブームで対処すべき課題
アルファベット(グーグル)は グループ一丸となって人工知能(AI)に取り組んでいる。だが、グーグルのセルゲイ・ブリンは今年の創業者書簡で、 現在のAIにおける「ルネサンス」には対処しなければならない危険もあると述べている。
ブリン創業者は、20年前にグーグルを始めた際、ニューラル・ネットワークは専門家から見放された、ほとんど忘れられたテクノロジーだったと指摘する。いまやテック業界の巨人となったグーグルは、写真に写っているものから太陽系外惑星の発見まで、あらゆることにニューラル・ネットワークを活用している。
マイナス面は、自動化や公平性、安全性に対して、常に疑いの目が向けられていることだ。「AI分野における倫理的進化」のリーダーであり続けるために、 アルファベットはAIに関する研究組織「ディープマインド 倫理と社会(Deep Mind Ethics & Society)」を立ち上げたり、共同研究などの取り組みに参加したり、資金を提供したりしている。
AIの倫理的な利用と営利を目的とする先進企業のバランスを取るのは容易なことではないだろう。今年3月、グーグルがペンタゴン(米国防総省)と協力してドローン用のコンピューター・ビジョン・ソフトウェアの開発に取り組んでいるとリークされた。グーグルの従業員数千人は、この計画に抗議する書簡に署名するという形で応えたことが明らかとなった。