少ないデータで医用画像診断システムを訓練、富士通が開発
日本の医療現場でも、人工知能(AI)の積極的な活用が進もうとしている。特に期待されているのが、医用画像を使った診断だが、課題は多い。1つは、深層学習に利用する大量の訓練用データをどうやって用意するかだ。
たとえば、体内から採取した患部の一片を顕微鏡で調べる「生検(バイオプシー)」では、顕微鏡画像から目的とする細胞を検出するために、深層学習によって訓練したAIシステムを活用する。検出精度を上げるためには、正しい状態の細胞の形や位置などをAIに教え込む「正解データ」が必要だ。正解データは専門知識を持つ医師が作成するため、大量に用意することが困難だ。そこで、富士通研究所はわずかな正解データをもとに、推定と比較を繰り返しながら大量の正解データを作成してAIシステムの精度を上げる物体検出技術を開発した。
今でも機械学習の99%は人間の手作業に支えられていると言われている。新しい検出技術によって人間が作業から解放されれば、AI活用の実用化はさらに加速するだろう。
- 参照元: http://pr.fujitsu.com/jp/news/2018/04/16.html