米英の中国ZTE締め出し、裏目に出る可能性も
英国と米国の当局は、中国の通信機器大手ZTEに関する厳しい警告を出している。だが、それによって中国政府は今後、ZTEにより重点的に投資するようになるかもしれない。
英国のサイバー・セキュリティ当局は、通信業界に対して、ZTEの機器は国家安全保障に脅威を与え、インフラのハッキングに利用される恐れがあるとの通達を出した。
一方、米国商務省は、ZTEに対する部品の輸出を禁止した。イランと北朝鮮に課した制裁措置の違反に関する条項を、ZTEが破ったことに対する処罰である。
このような駆け引きは、各国が自らのハイテク企業を擁護するように促す新たなナショナリズムを生み出す可能性が高い。たとえばフランスは、安全なメッセージ・アプリである「テレグラム(Telegram)」の 独自のバージョンを作成している。ロシアがテレグラムの開発会社に対して、ユーザーの暗号化キーを引き渡すように求めたためである。
ZTEは中国が超高速5G無線データ接続の開発を進める際の主力企業であり、同社の成功は中国にとって重要だ。ZTEに対する英国と米国の今回の行動は、実質的に同社を支援する中国の政策を誘発するという予期せぬ影響をもたらす可能性があるとブルームバーグは指摘する。