テスラに新たな試練、太陽光部門の財務リスクが表面化
イーロン・マスクがCEO(最高経営責任者)を務める自動車メーカーであるテスラ(Tesla)には、オートパイロットの事故や自動車の生産ペースのこと以上に考えねばならないことがある。
2年前、マスクCEOはソーラー・シティ(Solar City)という太陽光エネルギーの会社の買収を決断した。狙いはテスラを、シームレスに統合されたクリーン・エネルギー企業、すなわちソーラー・パネル、エネルギー貯蔵、 そして自動車をも統合した企業にすることだった。だが、ソーラー・シティの買収は広く批判を浴びた。 20億ドルで買収し、同時に29億ドルの負債を引き継いだのだからなおさらだ。
ブルームバーグの最近の記事によると 、29億ドルの負債のうち、3億9000ドルの返済期限が今年に迫っているという。それほどひどい話ではないように聞こえるかもしれないが、 ブルームバーグの別の記事によると、テスラは毎分6500ドルのペースで現金を使い切っているそうだ。同時に、ソーラー・シティの負債によってすでに下がっていたテスラの信用格付けを、最近になってムーディーズがさらに引き下げた。
テスラはいままさに、苦境の真っただ中にある。オートパイロット機能が絡んだドライバー死亡事故の調査が迫っており、さらに、製造する車両の生産ペース、すなわちモデル3(Model 3)の生産に関する投資家の懸念とも引き続き戦っている。このような悩みの種のリストに、同社の太陽光部門に迫り来る財務的な心配が加わったのである。