暗号通貨は「通貨」ではなく「資産」、英中央銀総裁が語る
イングランド銀行(英中央銀行)のマーク・カーニー総裁は、暗号通貨は金銭としては深刻な欠陥があるが、「暗号資産」についてはあまり厳しく取り締まらないよう政策立案者は注意すべきだ、と3月2日の講演で主張した。
カーニー総裁はビットコインや同様の暗号通貨を激しく非難した。こうした暗号通貨は、価値を保存するには貧弱であり、交換手段としては非効率であるとして、法定通貨に取って代わる見通しは「ほとんどない」と語った。
暗号通貨は「真の通貨」ではなく、「暗号資産」と考えるべきだとカーニー総裁は述べた。さらに、たとえば「より革新的で効率的、かつ信頼性の高い決済システム」の一部として、将来は価値あるアプリケーションになり得ると付け加えた。そして、金融システムの大規模な改善に実際につながる可能性のあるイノベーションを阻害しないよう、過度な規制や完全な禁止をしないように釘を刺した。
最後にカーニー総裁は、イングランド銀行自身がデジタル通貨を発行する可能性について「オープン・マインド」を持ち続けると語った。しかし、そのときにも「デジタル通貨ありきで使い道を探したり、流行に乗り遅れまいとするような子どもじみた取り組みを中央銀行がしたりすべきではない」とした。