人間が乗らないことを前提にしたクルマはこんなデザインになる
最初から自動運転配送車を作るつもりなら、人間が乗るスペースなんて設ける必要があるのだろうか? そう、これこそがシリコンバレーのスタートアップ企業ニューロ(Nuro)の発想なのだ。
ニューロが計画しているのは、自律走行で荷物を運搬するバン(ワンボックスカー)。もう少しちゃんと説明すると、ラスト・ワン・マイルの配送用途に特化して設計された、低速走行、地域限定の自律自動車だ。特化した設計なので、ニューロは人間にとっては必要な座席という要素を最初から排除して、収納スペースを最大限確保することにしたのだ。
バンの重量は約680キロで、ほとんどは電気モーターと接続している蓄電池が占めている。さらに、運行のためにライダー(LIDAR:レーザーによる画像検出・測距)、カメラ、レーダーを搭載している。じゃあフロントガラスはなぜあるのか? 他のドライバーを怒らせないようにするためだ。
とはいえ、この車を実際に道路で走らせるには、規制当局の承認を得なければならない。米国のほとんどの州では安全性確保のためのドライバー(セーフティ・ドライバー)の同乗が義務付けられている。したがって人間が同乗せず、シートベルトもハンドルもない車が公道を走るためには、特別な例外措置が必要だ。もちろん、ニューロはこうした問題を考慮しているだろうが、実際に配達に利用してくれる顧客はこれから開拓しなければならない。