KADOKAWA Technology Review
×
【本日最終日!!】20%オフで購読できるキャンペーン実施中

ニューズラインエマージング・テクノロジーの最新情報をお届け。

NIST、超高速・超低消費電力の人工シナプスを開発
Stephen Magrath | Wellcome Images
A new artificial synapse is faster and more efficient than ones in your brain

NIST、超高速・超低消費電力の人工シナプスを開発

生物の構造を模倣した回路が、低消費電力の人工知能(AI)チップの製造に将来、貢献しそうだ。

米国国立標準技術研究所(NIST)の研究者が、磁気で制御する電気シナプスを開発した。人工の神経回路である。人間の脳にある神経回路と比べて数100万倍も高速に発火し、消費エネルギーは1000分の1。これまでに作られたどの人工シナプスよりも少ない。

複数の信号を収集し、必要に応じて電気パルスを発火する人工シナプスは、通常のプロセッサーにおけるトランジスターの代わりになるかもしれない。人工シナプスはニューロモーフィック・チップと呼ばれる、脳のように機能するデバイスを作り出せる。ニューロモーフィック・チップは現時点でAIを支えている人工ニューラル・ネットワークを、通常のチップよりも効率よく実行できる。今回の新しい人工シナプスによって、エネルギー効率をさらに高められることになる。

だが、新しい人工シナプスは、まだ大型のデバイスを作るためには使われていないので、実際に有用なチップが製造できるかどうかは定かではない。また、絶対零度に近い約-268℃の環境でしか動作できないので、実用的なコンピューティング・デバイスとして利用するにはまだ多くの課題が残っている。

ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe] 2018.01.30, 21:03
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューは有料会員制サイトです
有料会員になると、毎月150本以上更新されるオリジナル記事が読み放題!
【冬割】実施中! 年間購読料20%オフ!
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る