先物取引の開始でビットコインはどうなる?
ビットコインの先物取引が12月10日、シカゴの大手証券取引で初めて開始された。多くの人はビットコインが金融のメインストリームへ向けた、重要な一歩を踏み出したと見ている。しかしこのことが実際にビットコインとその利用者にとってどのような意味を持つかは、決して明らかではない。
先物取引の契約では、トレーダーが実際にはビットコインを持たないまま、ビットコインの価格上昇や下落を予想して賭ける(12月11日の動きは、ビットコインの驚異的な価格上昇は数カ月で落ち着くとの大方の見方を示している)。先物取引が可能になったことで、ビットコインに関心を持ちつつも、ハッカーの攻撃から安全に保管する手間をかけたくない従来の投資家の興味をそそるかもしれない。
ビットコインの先物取引を支持する人たちは、潜在的な市場の透明性を高め、不安定さを緩和できるだろうという。だが、懐疑的な人々は、今回のシカゴ・オプション取引所に続いてシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)やナスダックが先物取引を始めることについて、リスクをきちんと評価しないまま市場投入していると批判している。
先物取引の契約は、ビットコインを空売りすることを容易にし、空売りする投資家が先物取引市場を牛耳ることを可能にする。やがてはビットコインの価格を下げるかもしれない。一方、ブルームバーグのマット・レヴィネが指摘するように、「今までのところビットコインの入手を拡大する試みは常に、反対の効果をもたらしてきた」。今回もそうならないとは限らない。