暗号通貨のやり取りの新しい形「分散型取引」とは何か?
現在の暗号通貨の多くは分散型台帳を採用しているにもかかわらず、ユーザーは通貨を保管したり、交換したりするのに伝統的な取引所を利用している。ブロックチェーン技術を使うことで、暗号通貨の取引そのものを分散化しようとする動きが進んでいる。 by Mike Orcutt2017.12.20
もしおカネの未来が分散化されたものだとしたら、現在の暗号通貨の取引所は、まだ過去から抜け出せていない。
サトシ・ナカモトはビットコインとともに、ブロックチェーンと呼ばれるビットコインの分散型台帳を作った。銀行のような信頼できる中央当局がなくても、価値単位を取引できるようにするためだ(「ビットコインとは何だったのか?」を参照)。しかし、ほとんどの暗号通貨の利用者は今なお、自分たちのおカネを保管するためにオンライン取引所を信頼しており、取引所のオペレーターにおカネを詐取されたり、ハッカーにデジタル・コインを盗まれたりするリスクを放置したままだ。実際、ハッカーによる被害はかなりの頻度で起こっている。
法定紙幣と暗号通貨でやり取りをするためには、当面の間、伝統的な取引所が必要だろう。しかし、人々が自分の財産をよりコントロールできるような、暗号通貨の別の取引モデルが可能だというテクノロジストもいる。その答はビットコインそのものにある。ブロックチェーンを用いることで取引を分散化するのだ。
このアイデアは、いわゆるスマートコントラクトに依るものだ。スマートコントラクトとは、ブロックチェーン内に保存可能なソフトウェア・コードであり、プログラムに従って取引を管理するために用意する。たとえば、友達にいくらかの暗号通貨を、特定の日時に自 …