KADOKAWA Technology Review
×
ニュース 無料会員限定
The Open-Source Driving Simulator That Trains Autonomous Vehicles

事故も再現、自動運転向けシミューレーターをトヨタらが無償公開

子供が道路に飛び出すような、ドライバーにとって最も対応困難な出来事はまれにしか起きない。しかも、実際にその状況を再現するのは危険だ。自動運転車がそうした状況に対処できるように訓練するために、インテル研究所、トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)、コンピュータビジョンセンターの研究チームが新しいシミューレーターをオープンソースで公開した。 by Emerging Technology from the arXiv2017.11.30

自動運転車は世界中の輸送システムに革命をもたらそうとしている。その誇大広告を信じるのならば、完全な自律型移動手段がもうすぐ一般道を席巻することになるはずだ。

しかし、現実はそれほど単純な話ではない。最新鋭の自動運転技術でも、極端に限定的な環境・気象条件下でしかうまく走れないのだ。そして、今後数年間に登場するほとんどの新しい自動車が、何らかのドライバーアシスト機能を搭載すると思われる一方で、あらゆる条件下で人間の関与なしで走れる自律自動車が登場するのは、まだ何年も先の話になる。

その大きな理由の1つが、あらゆる状況に対応できるように車両を訓練することが難しいということだ。最も対応が困難な状況は、最もまれな状況で起きる。例えば、道路に走り出てくる子供、通りを逆走する車両、目の前で発生する事故など、ドライバーがまれにしか遭遇しないトリッキーな状況にはさまざまなパターンがある。

https://www.youtube.com/watch?v=Hp8Dz-Zek2E

自動運転車はそういった状況下でもとっさに正しい判断をする必要があるにも関わらず、その状況に遭遇する可能性は小さい。そして、このことは重要な問題を浮かび上がらせる。自動車メーカーは、非常にまれな出来事に対して車両をどうやってテストし訓練すればよいのだろうか。

インテル研究所のアレクセイ・ドソヴィスキー科学研究員、トヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)、スペイン・バルセロナのコンピュータビジョンセンターの数名のチームによる研究のおかげで、その答えらしきものを得た。研究チームは自動車 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. What’s on the table at this year’s UN climate conference トランプ再選ショック、開幕したCOP29の議論の行方は?
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る