KADOKAWA Technology Review
×
気候変動/エネルギー 無料会員限定
California to Trump: We’ll Fund Clean Energy If You Won’t

カリフォルニア州、クリーン・エネ予算削減でトランプ政権に反旗

トランプ政権でクリーン・エネルギー分野の連邦予算の削減が模索される中、カリフォルニア州は独自の取り組みを推し進める法案を審議している。 by James Temple2017.06.17

2004年、カリフォルニア州の有権者の60%近くが、ジョージ・W・ブッシュ大統領による連邦資金の禁止に対する民主的な抵抗として、30億ドルをES細胞研究に充てる州民投票法案を承認した。

トランプ政権が、世界の化石燃料への依存を削減できる重要な公的研究分野であるエネルギー技術への大幅な予算削減を提案する中、カリフォルニア州の著名人たちは、州は今日、2004年と同様の反乱を起こすべきだと主張している。

カリフォルニア工科大学のネイサン・ルイス教授(化学)は、カリフォルニア州の幹細胞センター(Stem Cell Agency)の設立により、その後10年間近く、州は世界をリードする科学者たちを招聘し、その分野で多くの研究ができたと述べている。

「幹細胞センターの設立は、目の前にある好機の素晴らしい実例です。この機会を捉えられれば、現在の取り組みの強化、研究開発の促進ができるでしょう」とルイス教授は話す。ルイス教授はクリーンなソーラー燃料を生み出すため、カリフォルニア工科大学とローレンス・バークレー国立研究所とが連携している人工光合成共同センター(JCAP:Joint Center for Artificial Photosynthesis)の主任研究員でもある。

トランプ政権の2018年度予算案では、米国エネルギー省の研究プログラムから約30億ドルが削減される。そのうちの約10億ドルは、JCAPやその他の「イノベーション・ハブ」に資金を提供している科学局からの削減だ。一方、エネルギー効率・再生可能エネルギー局からの約15億ドルの削減と野心的なARPA-Eプログラムの廃止は、カリフォルニア州のローレンス・バークレー国立研究所とローレンス・リバモア国立研究所における太陽光、バイオエネルギー、車両技術プログラム全体に影響するだろう。

議会はホワイトハウスによる最も極端な予算削減案の多くに反対するだろう。しかし、それでもなおホワイトハウスの提案は、幹細胞センターと同様のクリーン・ …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. What’s on the table at this year’s UN climate conference トランプ再選ショック、開幕したCOP29の議論の行方は?
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る