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Generative AI search: 10 Breakthrough Technologies 2025 生成AI検索

グーグルの検索結果に表示される「AIによる概要」をはじめとする生成AI検索は、従来の検索エンジンの概念を覆す一方で、スマートフォンですばやく情報を見つける助けとなるだろう。

by Scott J Mulligan 2025.01.15
Ari Liloan
キープレイヤー
アップル、グーグル、メタ、マイクロソフト、オープンAI、パープレキシティ(Perplexity)
実現時期
実現済み

グーグルのジェミニ(Gemini)言語モデルを活用した「AIによる概要(AI Overviews)」のリリースは、何十億という人たちのインターネット検索方法を変えるだろう。そして、生成AI(ジェネレーティブAI)検索は、あらゆる質問や実行する必要のあるタスクを処理する人工知能(AI)エージェントの実現に向けた第一歩となるかもしれない。

「AIによる概要」は、リンクのリストを返すのではなく、問い合わせに対する簡潔な答えを提供する。これにより、スクロールや複数のソースのクリックをすることなく、手っ取り早く知見を得ることが容易になる。2024年5月に米国でリリースされた「AIによる概要」は、ナンセンスな結果で注目を集め、波乱の幕開けとなり、グーグルはその後、ユーザー作成コンテンツや風刺・ユーモアサイトを利用した回答の使用を制限した。

生成AI検索の導入はグーグルに限ったことではない。マイクロソフトとオープンAI(OpenAI)も同様に、2024年に生成AIバージョンの検索をリリースしている。その一方で、私たちのコンピューターやその他のガジェットなど、今やより多くの場面で、AI支援検索が画像、音声、動画を分析し、問い合わせに対してカスタマイズされた回答を返すようになっている。

しかし、グーグルは検索における世界的な優位性によって最も重要なプレーヤーとなっており、同社はすでに「AIによる概要」を世界中の10億人以上に展開している。その結果、より会話のように感じられる検索が可能になった。グーグルもオープンAIも、生成AI検索によって人々のやり取りの仕方が変わったと報告している。ユーザーは、より長い質問を投げかけ、より多くのフォローアップを求めるようになっている。

こうしたAIの新たな応用は、ネット広告とメディアに深刻な影響を及ぼす。これらの検索サービスは、ネット上のニュース記事などから情報を要約して回答することが多い。生成AI検索の結果によって、ユーザーがリンクをクリックして元のソースに移動する理由がほとんどなくなり、それらWebサイトから潜在的な広告収入を奪ってしまうという懸念が広まっている。多くのパブリッシャーやアーティストが、AIモデルの訓練に自分たちのコンテンツが使われたとして訴訟を起こしている。今後、生成AI検索は、メディアと巨大テック企業の間の新たな戦場となるだろう。

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