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中国テック事情:自転車にも導入、中国が水素に注力する真の理由
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What to know about China’s push for hydrogen-powered transportation

中国テック事情:自転車にも導入、中国が水素に注力する真の理由

中国企業が水素燃料電池車の開発に本腰を入れつつある。しかし、中国ではまだ水素を化石燃料から作っており、気候変動問題に対処することが主な目的ではないのは明らかだ。さしあたり、中国企業は1つの良い答えを見つけている。 by Zeyi Yang2024.08.19

この記事は米国版ニュースレターを一部再編集したものです。

水素自動車という言葉を聞いたことはそこそこあっても、実際に見たことはないだろう。米国では1万8000台以上が走っているが、そのほとんどはカリフォルニア州に集中している。外見は従来の自動車と変わらないが、水素燃料電池で発電した電気を動力源としているため、はるかにクリーンで環境に優しい。

だから、中国の一部地域で複数の企業が、誰でも乗れる「水素自転車」を実際に公道走行させていることを知ったとき、まさに「未来がここにある」と思った。私はそれをさらに深く調べ、記事を書いた

それらの自転車には水筒ほどの大きさの水素タンクが搭載されている。40マイル(約64キロメートル)ごとにタンクを交換しなければならないが、通常の自転車よりも楽に乗ることができる。しかし、この自転車は絶賛を得てきたわけではない。上海のある利用者は、水素が生み出す加速が物足りなく感じられ、また、ハードウェアとソフトウェアの設計上の欠陥によってユーザー体験が損なわれていると話してくれた。ソーシャルメディアでも、多くの人が彼と同じ意見を述べている。

中国の自転車シェアリング業界最大手の1つであるユーオン(永安)は、水素エネルギーを支持している。同社はトレンドに火がつくことを期待して、北京や上海などの主要都市に数千台の水素自転車を配置してきた。

しかし、クリーンエネルギーの専門家たちにとっては、そもそもなぜそのような水素自転車が推進されているのか、理解しがたい。水素自転車は普通の電動自転車よりも効率性が低く、長い目で見れば経済的合理性があまりないからだ。

この道を進んでいるのは1社だけではない。水素自転車に対して共有されている意欲は、私の予想よりもはるかに大きかった。私が数えただけでも、水素自転車分野にはユーオンの競合企業が6社あり、いくつかの都市がこのアイデアを採用している。水素で動くシェア自転車の将来は不透明だが、その普及は、中国で起こっているより大きなトレンドを象徴している。つまり、中国はどうすれば水素を輸送に利用できるのか、模索しているのだ。

すでに中国が手頃な価格の高性能電気自動車の生産で世界的リーダーとなっていることは周知の事実だが、中国政府と中国企業はそこで止まっていない。ここ数年でかなりの数の地方政策が打ち出され、水素自動車の生産に補助金を出したり、通行料を免除したり、水素補給ステーションを増設したりしている。現在、中国では約2万1000台の水素自動車が走行し、水素補給ステーションの数も400を超える。

中国の水素推進に関して、実体を把握することには価値がある。水素を自動車の燃料として使用すれば二酸化炭素は排出されないが、実際に水素を製造する際はそうではない。中国では、水素の大部分が化石燃料から作られており、水と再生可能エネルギーで製造するよりもはるかにコストが安い。(「グレー」、「ブルー」、「グリーン」水素の違いについては、本誌のケーシー・クラウンハート記者の記事を読んでほしい。)

残念な真実だが、中国はしばらくの間、石炭と天然ガスに頼って水素を製造することになるだろう。水素は石炭を処理する際の副産物であるという事実が、石炭資源の豊富な中国の多くの都市が水素産業の最前線にも立っている理由を説明している。それらの都市にとっては、水素を利用する経済的根拠の方が、環境コストに勝る場合がある。その結果、水素自動車は将来的には輸送システムのさらなる脱炭素化の道筋を作るとしても、現在の気候変動への対処にはほとんど役に立っていない。

同じ問題が中国の電気自動車(EV)にも当てはまる。確かに電気は自動車燃料としてガソリンよりもクリーンだが、中国では電力の大部分がいまだに化石燃料から作られている。 実際のところ、どれくらいクリーンなのか疑問が残る。

しかし、水素自動車企業はさらなる疑問に答える必要がある。中国がすでにEV用バッテリーの製造にかなり長けているのであれば、なぜわざわざ水素自動車に時間や資源を費やす必要があるのか?

さしあたり、中国企業は1つの良い答えを見つけている。そさしあたり、中国企業は1つの良い答えを見つけている。それは自転車ではない。大型トラックだ。

「水素乗用車は行き詰まりを迎えているように思います。ですが、商用自動車、トラック輸送、長距離貨物輸送では、水素自動車は長距離用電気自動車に匹敵すると思います。たぶん、どっちもどっちでしょうか」と、エネルギーコンサルティング会社ランタウ・グループ(Lantau Group)のシニア・マネージャー、デビッド・フィッシュマンは言う。

考えてみれば、貨物トラックは今、EV最大の限界のいくつかにぶつかっている。非常に長距離を走らなければならない一方で、時間を節約するため短い時間で再充電する必要がある。同時に、水素自動車は燃料補給ステーションの不足や製造コストの高さといった制約があるため、個人が購入する乗用車よりも企業が保有する大量の商用車に向いている。

その結果、中国の水素トラック輸送企業は自信を感じていると、フィッシュマンは言う。水素が本当に次世代の主流燃料になるとしたら、それはおそらく中国のトラックから始まるだろう。


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激安の偽スマホが復活

2000年代の中国製ガジェットを特徴づけたのは、安価な模倣品の携帯電話機だった。しかし、シャオミ(Xiaomi)などの国産ブランドが価格を大幅に引き下げた後、そのような模倣品は姿を消した。中国メディアのITタイムズによるとそれらの模倣品が今、ライブストリーミングの買い物チャンネルで復活しつつあるという。

ドウイン(抖音)やクアイショウ(快手)で、アップルやファーウェイの製品のように見える安価な国産5G携帯電話機が、ハイエンドを謳うスペックと298元(40ドル強)という激安価格で低所得層の消費者を引き付けようとしている。それらの電話機を受け取った消費者は、しばしば、スペックに関する謳い文句が誤解を招くものであり、電話機の製造企業が適切な事業者登録すらしていないことに気づく。中国国内の規制強化と激しい国内競争により模倣品の携帯電話機は実店舗から駆逐されたが、規制の緩いオンライン市場では繁栄しているようだ。

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ヤン・ズェイ [Zeyi Yang]米国版 中国担当記者
MITテクノロジーレビューで中国と東アジアのテクノロジーを担当する記者。MITテクノロジーレビュー入社以前は、プロトコル(Protocol)、レスト・オブ・ワールド(Rest of World)、コロンビア・ジャーナリズム・レビュー誌、サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙、日経アジア(NIKKEI Asia)などで執筆していた。
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