どの被告人を保釈すべきか
機械学習で裁判官に助言
どの被告人を保釈すべきか、機械学習の試験運用で裁判官の判断を高精度に補助できることがわかった。有色人種への偏見が減り、拘留の必要のない被告人を保釈できれば、米国で多額の税金が使われている収監費用も削減できる。 by Tom Simonite2017.03.07
裁判を待つ刑事被告人のうち、誰を保釈し、誰を拘置所に拘留しておくべきなのか? ソフトウェアによって裁判官の判断を補助し、保釈中の再犯件数や刑事裁判中に収監される被告人の数を削減すれば、米国で多額の税金が使われている収監費用を削減できる可能性がある。
全米経済研究所(NBER)は、経済学者とコンピューター科学者による新たな研究で、ニューヨーク市で発生した事件のデータ数万件により、逮捕歴と裁判記録から被告人の逃亡可能性を予測するアルゴリズムを開発した。機械学習の訓練に使わなかった事件のデータ約10万件で試験したところ、アルゴリズムは、被告人が保釈中におとなしくしているか、裁判官よりも的確に予測できることがわかった。
この研究に携わったコーネル大学のジョン・クラインバーグ教授(コンピューター科学)によると、プロジェクトの目的は、刑事司法制度に機械学習を導入することで社会が得られる潜在的利益を政策立案者に示すことだ。スタンフォード大学やハーバード大学、シカゴ大学の研究者と共同で研究に取り組んだクラインバーグ教授は「研究結果から、熟練の専門家でさえ判断に悩む場合でも、機械学習が有用だとわかりました 」という。
研究チームの見積もりでは、アルゴリズムの助言によって、ニューヨーク市は拘置所に収監する未決囚を増や …
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