フラッシュ2023年6月4日
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生物工学/医療
リンパ節注入による免疫治療、副作用抑制と高効果を実証=東北大
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東北大学の研究チームは、免疫チェックポイント阻害薬をリンパ節に直接注入する方法で、がん治療の効果を高めつつ、副作用を抑制できることを明らかにした。この薬は通常、静脈注射されるが、免疫系が正常な細胞を攻撃する免疫関連有害事象が問題となっていた。
研究では、免疫細胞が集まるリンパ節に薬を注入し、リンパネットワークを通じて薬を送達することで、この問題に対処する仮説を検証した。モデルマウスを用いて、がん細胞のあるリンパ節に免疫チェックポイント阻害薬「抗CTLA4抗体」を注入した結果、がんの治療効果が最も高まり、副作用が最も抑制されることが確認された。対照的に、薬を腹腔内に投与した場合は、治療効果が低く副作用が増加した。
研究成果は6月1日、「ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・アンド・クリニカル・キャンサー・リサーチ(Journal of Experimental and Clinical Cancer Research)」誌にオンライン掲載された。研究チームは、この治療法の臨床試験を予定している。
(笹田)
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