KADOKAWA Technology Review
×
期間延長!9/16まで。
【夏割】ひと月あたり1,000円で読み放題
機械学習で合金の発見が加速、変わる材料科学のアプローチ
Stephanie Arnett/MITTR | Envato
人工知能(AI) 無料会員限定
Machine learning could vastly speed up the search for new metals

機械学習で合金の発見が加速、変わる材料科学のアプローチ

材料科学分野での機械学習の活用が進んでいる。マックス・プランク研究所による研究では、宇宙から深海まで活用できる可能性のある17種類の新しい金属が発見された。 by Tammy Xu2022.11.10

新たな研究によると、機械学習は、極端な温度や錆に強いといった有用な特性を備えた新しい金属の開発に役立ちそうだ。例えば、低温に強い金属は宇宙船の改良につながり、錆びにくい金属は船や潜水艦に使えるなど、さまざまな分野での活用が期待できる。

現在、科学者たちは通常、金属を組み合わせて新たな金属を生み出す方法を、研究室の実験で模索している。多くの場合、鉄のような安価で加工しやすい良く知られた1つの元素に、他の1つか2つの元素を加えて、元の材料への影響を調べる。結果的に有用な成果より失敗の方が多いため、骨の折れる試行錯誤のプロセスとなる。

だが、10月6日にサイエンス誌に掲載された新しい論文によると、人工知能(AI)を用いることで、研究者が有望な金属の組み合わせを、これまでよりはるかに正確に予想できるという。

ドイツのマックス・プランク研究所(Max Planck Institute)の研究チームは、この手法により、有望な新しい金属17種類を特定することに成功した。研究チームは、温度変化による伸縮が少ない「低熱膨張係数」金属を探していたのだ。

低熱膨張係数金属は極端な温度下でも大きさが変わらないため、その特性が役立つ産業に用いられることが多い。例えば、天然ガスの輸送や貯蔵での利用だ。こう説明するのは、マックス・プランク研究 …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【夏割】実施中! ひと月あたり1,000円で読み放題
人気の記事ランキング
  1. A skeptic’s guide to humanoid-robot videos すごすぎる人型ロボット動画、騙されないためのチェックポイント
  2. A new way to build neural networks could make AI more understandable ニューラルネットの解釈性を高める新アプローチ、MITなど提案
  3. Ray Kurzweil: Technology will let us fully realize our humanity レイ・カーツワイル:テクノロジーがもたらす人間性の完全な実現
  4. AI and the future of sex 生成AIが仕立てる究極のポルノで「性」はどう変わるか?
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年も候補者の募集を開始しました。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る