フラッシュ2022年9月10日
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金沢大など、ALSの運動神経異常を「痛くない」手法で計測
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]金沢大学、広島大学、中京大学、マリボル大学、マーケット大学の研究グループは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)による運動神経活動の異常を非侵襲的に計測することに成功した。ALSの診断では、筋肉に針電極を刺して針筋電図を取る必要があるが、筋肉に針を刺すため患者に苦痛をもたらす上、電極周囲数ミリメートル程度の範囲しか計測できない。
研究グループは針電極の代わりに、細かい電極を高密度に並べた電極シートを使い、高密度表面筋電図を取ることを考案。ALS患者16名と同世代の健常者16名を対象に筋電図で筋肉の運動活動を計測した。高密度表面筋電図の測定結果は分解アルゴリズムで解析した。
その結果、ALS患者は健常者に比べて検出できる運動単位の数が少なく、同程度の筋力を発揮しているにもかかわらず、過剰な運動単位の活動となっていることを確認。運動単位の活動のばらつきが大きく、脊髄の興奮性の亢進や細胞膜電位異常が発生していることも確認できたという。加えて、運動単位の活動開始時の過活動がALSに関連する因子であり、ALSの診断指標の1つとして有用である可能性が高いことも分かった。
研究成果は7月22日、クリニカル・ニューロフィジオロジー(Clinical Neurophysiology)誌に掲載された。
(笹田)
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