フラッシュ2022年7月27日
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新型コロナによるホルモン分泌障害の回復過程を報告=神戸大など
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]神戸大学と兵庫県立加古川医療センターの共同研究チームは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴って生じた副腎皮質ホルモンの分泌障害が約15カ月にわたり持続した後に回復した症例について報告した。新型コロナウイルス感染症発症後および回復期に内分泌臓器が障害されさまざまなホルモンの分泌が低下する例があることは知られているが、その回復過程を時間を追って追跡した報告は初だという。
今回の報告は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染し、人工呼吸器が装着された患者についてのもの。同患者は、抗ウイルス薬の投与などの治療により、呼吸の障害は改善し、人工呼吸器も外せたが、その10日ほど後、突然血圧が下がった。検査の結果、脳の一部である「視床下部-下垂体系」が障害されることにより、副腎皮質ホルモンと成長ホルモンの分泌が低下していることが判明。副腎皮質ホルモンを補充する治療を継続したところ、ホルモン分泌は次第に回復し、発症から1年半後にはホルモン分泌が正常化し、ホルモン補充は不要となった。
現在、新型コロナウイルス感染症からの回復後にさまざまな症状が長期に亘って持続する「新型コロナウイルス感染症の後遺症」が大きな問題となっている。多くの例で原因は明らかではなく、またどれくらいの期間続くものかも分かっていない。今回の例で、後遺症の1つであるホルモン分泌障害が回復するまでの期間が示されたことは、後遺症のために生活の質(QOL)が低下している人にとって重要な情報となるという。
同報告は、7月14日にエンドリン・ジャーナル(Endocrine Journal)に掲載された。
(中條)
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