![](https://www.technologyreview.jp/wp-content/uploads/sites/2/2017/02/alex1x2200_0-cropped-650x365.jpg)
最新のスマホのカメラがどんなに高性能でも、アレックス・ヘジー研究員がPARC(カリフォルニア州のゼロックスのパロアルト研究所)で開発したカメラで撮影できるものの、ほんの一部しか写せないはずだ。ヘジー研究員のカメラは、目に見えない光の波長まで記録できるのだ。
ヘジー研究員のカメラは幅広い波長を記録できるので、食品店の農産物を調べたり(果物は熟してくると決まった波長を吸収するようになる)、偽物の医薬品を特定したり(本物には特有のパターンがある)と、なんでも使える。ヘジー研究員は近い将来、このテクノロジーがスマホのカメラに搭載されて、誰もが「イメージ分光」を利用したアプリを作ったり使ったりできることを期待している。
このような装置は何年も前からあったが、大型で高価だったため、食品や医薬品の監視や品質管理など、消費者向け以外の用途に限られていた。より単純で小型なヘジー研究員の装置は、モノクロUSBカメラ(液晶セルをイメージセンサ―の前にある偏光フィルターの間に固定している)を部品として利用している。接続したタブレット・コンピューターで使える画像処理のソフトウェアも開発中だ。
![Hegyi’s camera records parts of the spectrum that you can’t see.](https://www.technologyreview.jp/wp-content/uploads/sites/2/2017/02/alex2x1200_0.jpg)
![Hegyi’s prototype is a modified USB camera. Software lets him look at images in a new light, revealing novel details.](https://www.technologyreview.jp/wp-content/uploads/sites/2/2017/02/alex3x700_0.jpg)
ヘジー研究員は今後3~5年で、個人のスマホで可視光のスペクトルでは得られない情報を明らかにできると考えている。ヘジー研究員によれば、このようなツールがあれば「消費者は自分では波長について何も知っている必要はありません。消費者は写真を撮って、ディスプレイ上で『偽物』か『本物』かを区別できるのです」という。桃が熟しているかどうかもわかるかもしれない、という。
(レイチェル・メッツ)
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クレジット | Photos by Damien Maloney |
著者 | MIT Technology Review編集部 [MIT Technology Review Editors] |