フラッシュ2022年3月23日
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新型コロナを高出力・深紫外LEDですばやく不活性化=東大など
by MITテクノロジーレビュー編集部 [MIT Technology Review Japan]東京大学医科学研究所と情報通信研究機構の研究チームは、新たに開発した小型・高出力の深紫外(DUV)半導体発光ダイオード(LED)が、液体中ならびにエアロゾル中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を、極めて短い照射時間で不活性化できることを実証した。空気清浄機やエアコンに組み込むことで、エアロゾル中の新型コロナウイルスを迅速に不活性化でき、感染拡大防止に役立つという。
研究チームは今回、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)を用いてピーク発光波長265ナノメートルで光出力500ミリワット(mW)のシングルチップ深紫外LED照射光源を開発。ウイルス不活性化効果を定量的に評価し、ペトリ皿内の液体(ウイルス懸濁液)中の新型コロナウイルスの感染力を0.4秒以下の照射時間で10万分の1未満に減少させられることを明らかにした。さらに、エアロゾル中の新型コロナウイルスに対する同深紫外LEDの不活性化効果は、液体中に比べて約9倍効率的であることを示した。
深紫外LEDを用いた光照射は、化学物質を使わずにウイルスや微生物を不活性化する技術として注目されている。だが、市販されている265ナノメートル深紫外LEDの出力(約50mW)では、新型コロナウイルスに対する不活性化効果は認められるものの、実用に十分な効率ではなかった。
本研究成果は、2022年3月17日に米国科学雑誌、エムスフェア(mSphere)のオンライン速報版で公開された。
(中條)
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