KADOKAWA Technology Review
×
始めるならこの春から!年間サブスク20%オフのお得な【春割】実施中
土星内部に「揺れ動くコア」が存在か=米最新研究
NASA
宇宙 無料会員限定
Saturn's insides are sloshing around

土星内部に「揺れ動くコア」が存在か=米最新研究

カリフォルニア工科大学の研究によると、土星内部には岩石や氷のような物質が密集した明確なコアは存在せず、ぼんやりと拡散したコアが存在するという。NASAのミッションで収集された土星の環の地震計データからモデル化した。 by Neel V. Patel2021.08.17

直径28万2000キロメートルにも及ぶ巨大な環を持つ土星は、太陽系の中でも独特な存在だが、その内部もかなりユニークであることが判明した。 8月16日にネイチャー・アストロノミー(Nature Astronomy)誌に掲載された新たな研究によると、太陽から6番目の惑星である土星には、揺れ動く「ファジー(あいまい)」なコアがあるという。

これは非常に驚くべき発見だ。「土星や木星の内部構造の従来のイメージは、岩石や氷のような物質が密集したコアが、水素やヘリウムからなる密度の低い膜に囲まれているというものでした」と、カリフォルニア工科大学(Caltech:California Institute of Technology)の惑星科学者であり、ジム・フラー教授とともに今回の研究論文を共同執筆したクリストファー・マンコビッチ博士研究員は述べる。

2人が見つけたのは、「基本的に従来の構造がぼやけたバージョン」だった。重い岩石や氷と軽い元素とを隔てる整然とした境界は存在せず、コアが振動しているため、単一で明確な分離はないことがわかったのだ。

この拡散したコアは、土星の半径の約60%にまで広がっており、従来の惑星のコアが半径に占める割合である10〜20%とは比べものにならないほど大きく飛び抜けている。

今回の研究で特に興味深い側面の一つは、この発見がコアを直接測定することによって得られたものではないと …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. What is vibe coding, exactly? バイブコーディングとは何か? AIに「委ねる」プログラミング新手法
  2. Tariffs are bad news for batteries トランプ関税で米電池産業に大打撃、主要部品の大半は中国製
▼Promotion
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る