KADOKAWA Technology Review
×
スマホ乗っ取り疑惑でイスラエル当局がNSOを捜査、CEOは完全否定
AP Photo/Daniella Cheslow, File
コンピューティング 無料会員限定
Israel begins investigation into NSO Group spyware abuse allegations

スマホ乗っ取り疑惑でイスラエル当局がNSOを捜査、CEOは完全否定

スパイウェアを独裁政権国家に販売し、政治家やジャーナリストのスマホをハッキングしたとの疑惑が報道されたイスラエルの「NSOグループ」に対して、捜査が入った。CEOは疑惑を完全否定しつつ、捜査に協力するという。 by Patrick Howell O'Neill2021.07.31

イスラエル当局は7月28日、ハッキング企業「NSOグループ」の複数の事務所を訪れ、同社のスパイウェアが活動家や政治家、企業幹部、ジャーナリストなどをハッキングするために使用された疑惑について、捜査した。イスラエル国防省が29日に明らかにした。

世界の報道機関17社が7月18日に一斉に発表した調査報道によると、複数の著名人の電話番号が、NSOグループの主力商品であり、悪名高いスパイウェアである「ペガサス(Pegasus)」の標的にされたという。

イスラエル国防省は、政府機関のうち、どの機関が捜査に関与しているかを具体的に明らかにしていない。ただ、イスラエル現地メディアは昨年、17社による調査報道プロジェクト「ペガサス・プロジェクト」の始動を受けて、イスラエルの外務省、司法省、諜報特務庁(モサド)、軍諜報部もNSOグループを調査していると報道していた。

NSOグループのシャレフ・フリオ最高経営責任者(CEO)はMITテクノロジーレビューの取材に対し、当局による捜査を受けたことは認めたものの、報道機関が発表した電話番号のリストとペガサスとの関係については否定を繰り返した。

「それは事実です。我々は真実を知っています。リストは存在しておらず、NSOとは無関係だということです。政府のチェックを受けることはとても良いことだと …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
人気の記事ランキング
  1. Promotion MITTR Emerging Technology Nite #30 MITTR主催「生成AIと法規制のこの1年」開催のご案内
  2. How “personhood credentials” could help prove you’re a human online オープンAIやMITが「人間の証明」提唱、AIなりすましに備え
  3. What this futuristic Olympics video says about the state of generative AI AI生成動画が描いた、1000年後のLAオリンピック
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年も候補者の募集を開始しました。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2024年版

「ブレークスルー・テクノロジー10」は、人工知能、生物工学、気候変動、コンピューティングなどの分野における重要な技術的進歩を評価するMITテクノロジーレビューの年次企画だ。2024年に注目すべき10のテクノロジーを紹介しよう。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る