私が外出を控える理由——新型コロナの死亡リスクをどう捉えるか?
新型コロナウイルスとの共存を強いられる世界で我々はどの程度、生き残れるのだろうか。ニューヨーク市保健局とコロンビア大学が発表した報告書から、新型コロナの死亡リスクについて考えてみた。 by Antonio Regalado2020.07.08
私は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染しないよう外出を控えている。理由は簡単だ。新型コロナウイルスに感染すると、死亡する可能性が高いからだ。
私は先週、ニューヨーク市保健局とコロンビア大学が発表したレポートによって、このリスクを思い知らされた。このレポートでは、3月から5月の期間で、新型コロナウイルスに感染した人の死亡率(致死率)は平均して1.45パーセントと推計されていた。
これは一生のうちに自動車事故で死亡する確率より高い。他の車が前に割り込んできたり、角を曲がる時スピードを出しすぎていたり、高速道路で居眠り運転しそうになったりすることによる死亡率を全部合わせたよりも高いのだ。そんな病気にはかかりたくない。私の母の年代(75歳以上)では致死率は13.83パーセントで、17パーセントに達する場合もある。それは大まかに言って6人に1人、つまりロシアンルーレットで負ける確率である。そんなゲームを母にプレイしてほしくはない。
新型コロナウイルスの致死率はこれまで何度も推計され、さまざまなな方法で計算されている。例えば、新型コロナウイルス感染者として政府の公式記録に記載されるような場合だと、致死率は5パーセントほどになる。治療や検査が必要になるくらい具合が悪くなっているからだ。
しかし、今回のレポートではそのような致死率の代わりに「感染者致死率(IFR)」を計算している。これは、無症状者や鼻詰まり程度の症状の人、家で療養していて検査を受けない人などを含む「感染者全体」のうち死亡する人の割合を示しており、注意を払うべき真のリスクである。
検査を受けなかった人については正確な情報がつかめないので、IFRは常に推定値となる。ニューヨーク市の数値1.45パーセントは、ほぼ1パーセント前後であることが多い他の地域より高い値になっている。これは、ニューヨーク市内に糖尿病や心臓病 を患う人が多いためか、研究で使用された推定値が原因であろう。
個々の場合によって、新型コロナウイルス感染症(COVI …
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