滴滴出行(ディディ)、ブラジル99と提携でウーバーと再激突
滴滴が、またしてもライバルのウーバーに立ち向かう by Jamie Condliffe2017.01.06
中国の配車サービス滴滴出行(ディディチューシン)がブラジル進出を発表した。
フィナンシャル・タイムズ紙の記事(ペイウォール)によれば、滴滴がブラジル国内で事業を立ち上げる代わりに、ブラジル国内で配車サービスを展開する99と事業提携する。具体的な契約内容は不明だが、99の広報担当者がTechCrunchに述べた話では、滴滴の出資額は「1億ドル以上」で、99の取締役会に役員として人を送り込む。
滴滴が中国外の事業展開を狙っているのは秘密ではない。昨年後半あったブルームバーグのインタビューで、滴滴のジーン・リウ社長は「弊社は確かにグローバル展開を目指しています」と述べた。滴滴にはそうする事情がある。先月ウォール・ストリート・ジャーナル紙が伝えたように、中国では配車サービスに関する法規制が改められて居住者以外は配車サービスの事業者になれなくなり、中国国内のあらゆる大都市で、多くのドライバーが事業停止を余儀無くされているのだ。
ブラジルへの進出によって、滴滴は再度、最大のライバルと対戦することになる。ウーバーは中南米諸国を大きなビジネスチャンスと捉えており、ブラジル市場は現在業績が世界で3番目に大きいのだ。滴滴がウーバーのライバル会社に出資しているのは今回が初めてではない。2015年には、アメリカの配車サービスで2位の業績があるリフトに出資した。
ウーバーと滴滴の関係は、間違いなく妙なことになっている。昨年夏、ウーバーは何十億ドルもの大金をつぎ込んで成果が得られず、中国の配車サービス市場への参入を断念した。そこでウーバーは中国事業を滴滴に売却し、現在両社はお互いの取締役会に投票権なしの議席がある。
滴滴のチェン・ウェイ最高責任者がブルームバーグに述べた話では、この状況が意味するのは両社が「お互いに学び合える」ことだという。だが、両社が何を学び合ったとしても、結局はグローバル市場で決着がつくだけなのは明白だ。母国以外の市場でどちらかが勝者になるかは、まだわからない。
(関連記事:Financial Times (paywall), TechCrunch, Bloomberg, “ビジネスモデルの欠陥? ウーバー、中国市場で敗北,” “A Chinese Rival Beats Uber at Its Own Game”)
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- ジェイミー コンドリフ [Jamie Condliffe]米国版 ニュース・解説担当副編集長
- MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。