WHOがティックトック・デビュー、新型コロナ対策で正しい情報を
世界保健機関(WHO)は2月28日、コロナウイルスについて蔓延するデマを払拭する取り組みの一環として、ティックトック(TikTok)デビューを果たした。
WHOはティックトック上で、コロナウイルスとは何かについて説明する動画を28日に配信し、29日にはそのフォローアップとしてマスクを着用する時とその装着方法についての動画を配信した。WHOのアカウントには3月2日までに、約16万2000人のフォロワーと120万の「いいね!」が寄せられている。
ティックトックの動画といえば、いたずらや皮肉、ダンスなどを題材とした短いループ動画がおなじみだが、WHOが投稿した動画はかなりストイックなものだ。最初の動画では、感染の予防および制御の技術指導者であるベネデッタ・アレグランジが、コロナウイルスについての基本的な事実について一通り簡単に説明しており、全体のトーンとしては、極めて「公共広告」感が強い。2番目の動画はさらに平易なものとなっており、WHOの健康危機管理プログラム担当のエイプリル・バラーが心地よいBGMとスライドを交えながら、フェイスマスクの適切な着用時と着用方法について詳しく説明している。
WHOがティックトックに動画を投稿したことには意義がある。先月報じたように、ソーシャルメディアでは、10代の若者たちがコロナウイルスについて誤った情報を動画で投稿することで、コロナウイルスの発生源や拡散についての陰謀説、さらには全般的な人種差別や外国人への嫌悪感を増長させている。 そのため、何が信頼できて、真実であるのか判断することが困難となっている。多大な影響力を持つ動画プラットフォーム上で若者たちと接触しようとするWHOの試みは、理にかなっていると言える。
ティックトックでコロナウイルスに関連する言葉を検索すると、「コロナウイルス予防:コロナウイルスに関する事実を学ぶ」という題目のバナーページが、国ごとの詳しい情報への信頼できるリンクとともに表示される。