デルタ航空が温室効果ガスを実質ゼロに、10億ドル投資へ
デルタ航空は2月14日、大手航空会社としては初めて、グローバルでカーボン・ニュートラル(炭素中立)へ移行する計画を発表した。3月以降、すべてのフライトと業務から排出される温室効果ガスを相殺し、実質ゼロを目指す。
マイクロソフトやBPなどの企業が、こぞって気候汚染の削減や相殺に乗り出す計画を大々的に発表しており、今回のデルタ航空の発表はそれに続く最新の動きとなる。ジェットブルー航空(Jet Blue)も同様に、米国内のフライトをカーボン・ニュートラルにする計画を先月発表している。
だが、想定されるさまざまな機械・設備や自然のシステムを利用して排出量を確実に相殺するには費用がかかり、企業にとってはかなり難しい取り組みになるだろう(デルタ航空のプレスリリースの文言では、排出される温室効果ガスを3月から直ちに相殺するというよりは、3月から始めて最終的に相殺するという含みを残している)。
デルタ航空は、炭素削減と除去への取り組みに対し、今後10年間で10億ドルを投じるとしている。計画には、低炭素ジェット燃料の開発・使用や、より効率的な機体および飛行方法への移行などを盛り込む。
デルタ航空は、これらの方法による削減・除去で残った排出量について、森林や湿地、草地、土壌などの計画や取り組みについて検討し、より多くの炭素を削減、貯蔵するとしている。また、10億ドルの一部は、大気中から二酸化炭素を除去するテクノロジーに投資する予定だ。
カーボン・エンジニアリング(Carbon Engineering)やクライムワークス(Climeworks)などのスタートアップ企業は、大気から二酸化炭素を直接回収する装置をすでに開発しているものの、現時点では極めて費用のかかるプロセスだ。一方、炭素除去を樹木に依存することに関しては多くの課題があり、土壌に炭素を貯留する可能性については懐疑的な見方をする研究者もいる。
これらは、ますます多くの企業や国が一連の同様の解決策に希望を託す限り、増大してゆく課題だ。多くの企業や国が突如として、たくさんの樹木を植えることを頼みの綱としているのが現状だ。