衛星写真で見る、武漢の現在——都市活動がほぼ停止
MITテクノロジーレビューが入手した最新の衛星写真を見ると、人口1100万人の武漢市での都市活動がほとんど停止していることがわかる。 by Neel V. Patel2020.02.07
※記事中の画像の真ん中のスライダーを左右に動かすと写真を比較できます。
中国は1月22日、新型コロナウイルスの大流行が最初に発生した武漢市のすべての交通機関を閉鎖するという異例の措置を講じた。これにより、事実上1100万人が検疫下に置かれたことになり、現在も公衆衛生当局が感染した人の治療とウイルスの拡散防止に取り組んでいる。
プラネット・ラボ(Planet Labs)とマクサー・テクノロジーズ(Maxar Technologies)からMITテクノロジーレビューが提供を受けた衛星写真を見ると、武漢市の活動が急激に停止しているのがわかる。橋や道路に人通りはなく、市内の鉄道の駅はガラガラで人気(ひとけ)がない。通常なら多くの発着便で慌ただしい武漢の空港は、運行を完全に停止している。
空の旅への影響は中国全土に広がってきている。特に国際便の本数は、先月急激に減少した。フライト追跡サービスを提供するフライトアウェア(FlightAware)によると、2月2日に中国では、出発便の222便(16.7%)と到着便の238便(18.2%)がキャンセルされた。
しかし、武漢市では、少なくとも1つの側面において活発な活動が見られる。それは、病院の建設だ。感染者の管理と治療にあたるため(これまでに2万8300人の感染と565人の死亡が報告されており、現在もその数は増え続けている)、市内2カ所に新しい病院があっという間に完成した。
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- ニール・V・パテル [Neel V. Patel]米国版 宇宙担当記者
- MITテクノロジーレビューの宇宙担当記者。地球外で起こっているすべてのことを扱うニュースレター「ジ・エアロック(The Airlock)」の執筆も担当している。MITテクノロジーレビュー入社前は、フリーランスの科学技術ジャーナリストとして、ポピュラー・サイエンス(Popular Science)、デイリー・ビースト(The Daily Beast)、スレート(Slate)、ワイアード(Wired)、ヴァージ(the Verge)などに寄稿。独立前は、インバース(Inverse)の准編集者として、宇宙報道の強化をリードした。