グーグル、自動運転車プロジェクトを一時停止
グーグルは、ハンドルのない自動車を設計するより、自動車メーカーと連携して、従来型の自動車に自動運転テクノロジーを導入することに重点を置くと伝えられている。 by Jamie Condliffe2016.12.14
グーグルは、完全自律自動車の開発計画をUターンさせたようだ。
2015年、グーグルは未来型自律自動車のビジョンを発表した。ハンドルやブレーキ/アクセルペダルのない、小さな丸っこい車両だ。しかし現在の話まで18カ月進めると、ジ・インフォメーション(ペイウォール)が伝えたように、グーグルは計画を保留中だ。その代わりにグーグルは、より従来型に近い自律自動車の開発で、自動車メーカーと協力するつもりだという。
このニュースは、今年初めにクリス・アームソン(カーネギーメロン大学の元研究員)がプロジェクトのテクニカル・リードを去った件の続報といえる。アームソンは明確に「コントロール・フリー(制御なし)」概念を熱心に提唱していた。しかし、ニューヨーク・タイムズ紙によれば、アームソンは、2015年に自律自動車プロジェクトのCEOに任命された現代自動車米社ジョン・クラフチック元社長と方向性が合わず苦しんでいた。
アームソン(その後自律自動車ベンチャー企業を設立)の退社後、アルファベット(グーグル)の自動運転プロジェクトは、同社のラリー・ペイジCEOとルース・ポラットCFOによって管理され、進捗が緩まっている。ブルームバーグの先週の記事によれば、ポラットCFOは、最も有望な戦略の事業化に集中するため、グーグルの研究プロジェクトの予算を引き締めていて、ページCEOの審査をパスしないプロジェクトを打ち切っており、自動運転テクノロジーが頓挫したとしても不思議はない。
ジ・インフォメーションの記事によれば、グーグルは未来の魅力的なビジョンを実現させる代わりに、自動車メーカーと提携するプロジェクトをテコ入れするつもりだという。特にグーグルはフィアット・クライスラーと進めているプロジェクトに目を向けており、自律ハイブリッド・ミニバン「パシフィカ」を製造する予定だ。パシフィカは、ロボット・タクシー構想(2017年中の立ち上げを検討中とされる)でも使われ可能性がある。
今年初め、クラフチックは、アルファベットの自律自動車プロジェクトは「ムーンショット(月面着陸のように大がかりな計画の例え)」的なグーグルのX傘下を離れて、独立した会社になる予定だと述べた。だが、その移行は事業化の野望の大きさに反して、計画規模の大幅縮小を伴っていそうだ。
(関連記事:The Information, Recode, “Why Google’s Self-Driving Bubble Cars Might Catch On,” “グーグルの自動運転責任者はなぜ辞めたのか?”)
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- MIT Technology Reviewのニュース・解説担当副編集長。ロンドンを拠点に、日刊ニュースレター「ザ・ダウンロード」を米国版編集部がある米国ボストンが朝を迎える前に用意するのが仕事です。前職はニューサイエンティスト誌とGizmodoでした。オックスフォード大学で学んだ工学博士です。