Z世代のある若者の主張——
大人たちが見落としている
テクノロジーへの視点
MITテクノロジーレビューが18歳以下の若者を対象にして募集したエッセイ・コンテストの最優秀作品を紹介しよう。 by Taylor Fang2020.01.10
「自分たちの世代とテクノロジーについて、大人たちが知らないことは何ですか?」
MITテクノロジーレビューが開催した、18歳以下なら誰でも応募できるエッセイ・コンテストの課題だ。原稿を送ってくれた28カ国、376人の若者たちの大半は怒っていた。そして、一部の若者たちは失望していた。最優秀賞を獲得したテイラー・ファンのエッセイは、テクノロジーを豊かな人生の実現のためにいかにして役立てるかについて、示唆に富んだ感動的な視点を示してくれた。以下に、ファンのエッセイを掲載する。読者にも同じように感じていただけることを願っている。(編集部)
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スクリーン。隠し、保護し、身を守るためのもの。その言葉は不可視性を表している。私はスクリーンの裏に隠れた。誰もスクリーンの裏側を見通すことはできない。スクリーンはそれ自身を覆い隠す。センサーとシートガラス、縁の部分が微かに光る。その光は、夏の日よりも青い。
スクリーンはそれを使う人間も隠す。スマートフォンは私たちの体の延長だ。いつでも私たちの心を惹きつける。アルゴリズムは私たちに大量の画像を与える。私たちはタップする。スクロールする。クリックする。取り込む。フォローする。アップデートする。昔ながらのコミュニティの集まりに顔を出しても、私たちは隅っこに座ってインスタグラムを見ているだけ。スナップチャット(Snapchat)に写真を投稿しないと、私たちは夕日をエンジョイできない。夕飯のときのスマートフォン禁止なんて勘弁してほしい。
Z世代(1990年代半ばから後半以降に生まれた世代)は自分が特別だと思っている。鬱で、目標がなく、中毒で、無関心だ。少なくとも、大人たちが私たちについて語る時にはそのように言う。
でも、若者たちは社会的なつながりやネットワークのためだけにソーシャルメディアを使っているわけではない。そこにはもっと深みがある。ソーシャルメディア・プラットフォームは私たちにとって、自己意識を創り出し、形作るための数少ない手段の1つだ。ソーシャルメディアは、誰かに見てもらえていると感じさせてくれる。インスタグラムの「バイオグラフィ」では、自分が情熱を持っているものを表す絵文字を並べる。スキー、アート、ディベート、レース。自分にとって最高の達成やお祝い事について投稿する。「フィンスタ(finsta、裏アカウント)」を作り、親しい友人たちだけに日常のさまざまな出来事や辛い気持ちをシェアする。ユーチューバーのニッチなコミュニティを発見する。
ソーシャルメディアから流れてくる理想化されたイメージが悪影響を与えるというのは真実だ。私たちのメンタルヘルス、自己イ …
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