眼鏡から指輪まで、アマゾンが音声対応ガジェットを一挙発表
アマゾンは9月25日、ワイヤレス・イヤフォンの「エコー・バズ(Echo Buds)」をはじめ、スマート指輪の「エコー・ループ(Echo Loop)」、スマート眼鏡の「エコー・フレーム(Echo Frames)」などの非常に多くの新しいガジェットを発表した。
いずれもハンズフリーでアクセス可能であり、同社のAI音声アシスタント「アレクサ(Alexa)」を使って外出先で曲を再生したり、目的地までの行き方を調べたりといった、必要なサービスを受けられる。価格はそれぞれ、129〜180ドルとなっている。
これらの3つの新しい製品を見れば、家の中だけではなく、外出先やウェアラブルデバイスでもユーザーにアレクサを使わせたいというアマゾンの意図が明確に見て取れる。ライバル製品である「グーグル・アシスタント」がアンドロイド・スマートフォンに搭載されているのに対し、スマホを販売していないアマゾンのアレクサが利用できるのは現在のところ、自宅の中だけだ。
場所の制約こそが、アレクサをユーザーの生活とより深く関わらせたいと考えているアマゾンが克服したい限界であり、アマゾンがアレクサと他のテック企業の製品との相互運用性を望んでいる理由の1つとなっている(ただし、グーグル、アップル、そしてサムスンは相互運用性に関してまだ腰を上げていない) 。家庭用AI音声アシスタント製品を最初に発表したアマゾンは、他の企業に比べて大きな優位性がある。現在、アレクサを搭載するスマートスピーカー「エコー(Echo)」はこれまでに1億台以上が販売され、エコーはスマートスピーカーについて語る際に多くの人が思い浮かべる代表的な製品となっている。
だがユーザーは、外で歩いている時に音声アシスタントに話しかけたいと思っているのだろうか? 家の中で音声アシスタントに話しかけるのと、地下鉄や公園の中で音声アシスタントに話しかけるのは、まったくの別物のはずだ。実際、多くのスマートウォッチはスピーカー機能を備えているが、公共の場で使用している人を見かけるのは極めてまれだ。
アマゾンはさらに、子ども用の夜間照明、バスルームで使用できるエコー、スマート・オーブン、ペット用の追跡デバイスも発表した。好みに応じて、アレクサにサミュエル・L・ジャクソンの声で話してもらうことも可能にした。
国連は以前、親しみやすい音声アシスタントの音声が常に女性の声であることは性差別に悪影響を与えかねないと報告書で指摘した。だが、アマゾンは、アレクサではデフォルトの音声を今後も女性の声にするつもりだ。