「グーグルは非正規を正社員化せよ」、米民主党議員らが要請
大統領候補のカマラ・ハリスやバーニー・サンダース、エリザベス・ウォーレンをはじめとする民主党の上院議員10人が、グーグルに対して大量の臨時従業員の正社員化を要請した。
グーグルのサンダー・ピチャイCEO(最高経営責任者)宛ての書簡の中で、「労働者の区分の違いは表面上のものにすぎないようだ」とし、したがってグーグルは「全従業員を平等に扱う」べきだと主張している。とりわけ、臨時従業員を6カ月後に正社員とし、すべての種類の従業員に平等な給与と手当てを与えるよう要請した。さらに、請負業者は、担当する正社員がいない作業についてのみ雇うようにも求めた。
7月25日付のこの書簡は、テック業界の労働環境を巡る懸念が高まっていることを受けたものだ。具体的には、グーグルの10万2000人の正社員を上回る12万1000人(3月時点)の「影の労働力」に関するニューヨーク・タイムズ紙の記事が引用されている。このテーマを巡ってはほかにも、フェイスブックのコンテンツ・モデレーターの過酷な環境に関する調査が実施されたり、「ゴーストワーカー(テクノロジーによるサービスを支えている底辺の請負業者)」について人類学者メアリー・L・グレーが最近本を出版したりしている。テック業界の労働者組合結成の話が持ち上がる中、民主党の大統領候補ピート・ブティジェッジは最近、ウーバーのようなテック企業で働くギグワーカーたちの労働組合結成を認めるべきだと発言した。
10人の上院議員はグーグルに8月9日までに回答するよう求めたが、グーグルはすでに反論している。グーグル幹部から上院議員に送られた書簡のコピーによれば、請負業者の待遇は正当なものであり、臨時従業員の立場は正社員への道を保証するものではないとの主張が展開されている。最終的に、民主党議員らの今回の書簡はすぐには大きな影響を与えそうもない。しかし、大手テック企業が米国の著名政治家から労働環境について精査を受けている状況を示す、これまででもっとも強力な証拠となっている。