アップルがSiriの音声分析を一時中止、グーグルもEU圏内で
アップルは8月2日、音声アシスタント「シリ(Siri)」の会話の録音を第三者に聞かせることを、全世界的に中止すると発表した。ただし、今回の措置は一時的なものだ。グーグルも同様に音声アシスタントの録音の送信をEU圏内に限って中止すると発表した。
ガーディアン紙は7月26日、ユーザーとシリの会話の約1%が、事前の消費者への通知や同意なしに第三者に聞かれていると伝えた。アップルは品質管理プロセスを見直し、ソフトウェアのアップデートによって、ユーザーにオプトアウトの選択肢を提供すると約束している。
グーグルも音声アシスタントの録音を請負業者と共有していたことが判明しているが、録音データの第三者への共有を中止すると発表した。だが、中止するのはEU圏内に限られる(おそらく、EU内のデータ保護に関する規制がより厳しいとの理由による)。グーグルは同社のデータの取り扱いについて調査しているドイツの規制当局と連携しながら、音声アシスタントの録音の第三者への送信を少なくとも3か月間は中止する。
音声アシスタント(Alexa)が録音した会話を外部の人間に聞かせていたことが判明した最初の企業であるアマゾンはどうだろうか? 同社はまだ、こうした慣習を今後変更するかどうかについて発表していない。
これらの音声アシスタントの録音には、極めて個人的な会話や健康に関する情報、シャワーや性交渉中の音声などが含まれている可能性がある。音声アシスタントのユーザーは、自分の音声が録音されることをほぼ知らされておらず、録音に同意することも求められていなかったため、怒りの声が上がっている。アップルは、大手テック企業の中で自社がプライバシーに最も配慮した企業であると繰り返し主張してきただけに、今回の件が大きな打撃となるのは避けられないだろう。