「もう間違いは犯さない」
2020米大統領選
ハッキング対策は万全か?
2016年の大統領選でのサイバー攻撃を教訓に、米国では2020年へ向けた選挙のセキュリティ対策が進められている。州の独立性を維持しながら、高度化する外国からの攻撃にいかに対処するかが課題だ。 by Patrick Howell O'Neill2019.10.07
7月23日に公開された米国上院情報問題特別調査委員会(Senate Intelligence Committee)の報告書によると、2016年の大統領選挙ではロシアのハッカーが何らかの形で米国のすべての州を標的にしていた可能性がある。報告書は米国政府の一部における数多くの過失に焦点を当てている。対象になった標的は各州の郡のWebサイトから有権者データベースまで広範囲に及んでいた。ハッカーの活動により、何らかのデータまたは投票内容が改変されたという証拠は見つかっていない。
今回の報告書は、2016年に米国政府関係者が早々に出した結論をより強化するものだ。2016年のハッキングはロシアが広範囲に渡って活動を展開しており、懸念すべき脅威を示すものだと警告を発している。
7月下旬、ロバート・モラー元特別検察官は、2020年の米国大統領選にロシアが再び干渉する可能性があると議会で発言した。「彼らは私たちが今こうしている間にも活動をしており、次の選挙においても行動を起こすと予想されます」。
「より多くの国が、ロシアと同じようなことができる能力を開発しつつあります」ともモラー元特別検察官は述べた。
同じ日に、上院多数党(共和党)院内総務のミッチ・マコーネル議員は、政治活動において外国からのハッキングや妨害工作を米国連邦捜査局(FBI)に報告することを義務付ける選挙セキュリティ法案を差し止めた。マコーネル議員は下院を通過した同法案は「偏向している」と述べた。マコーネル議員は、連邦政府は選挙セキュリティ強化のために各州に十分な予算を提供していると主張し、国政選挙における連邦政府の管理強化には反対の意向を示している。
だが、各州にもっと支援が必要だと主張する者もいる。
超党派の公共政策研究機関であるブレナン司法センター(Brennan Center for Justice)による最近の報告書によると、各州には「高度な技術と豊富な資金力を持つ外国政府の情報機関から身を守るだけの準備が整っていません」と述べている。「各州に対し、そのような攻撃 …
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