200メートル先から「心臓」で個人特定、米軍がテロ対策で新技術
米国防総省は、赤外線レーザーを使うことで、200メートル離れたところから個人の心臓の特徴を検知できる装置を開発した。シャツやジャケットなど普通の衣服の上からでも検知できるうえ、顔認識技術で人を識別するよりも堅牢性が高く、安定して使えるとしている。 by David Hambling2019.07.01
すべての人の心臓は異なっている。眼球の虹彩や指紋のように、人それぞれの心臓の特徴を、人を見分ける手段として使うことができる。重要なのは、離れたところからそれが可能なことだ。
米陸軍特殊部隊の関心を引いたのはこの最後の点だ。遠隔生体測定の手法には他に、歩き方で人を識別する歩容解析などがある。この方法は無人機による空爆の前に、ある名うてのイスラム過激派組織(ISIS)テロリストを確認するのに使われたらしい。しかし、顔と同じく歩き方は、特徴をはっきり区別できるとは限らない。だが、個人の心臓の特徴は唯一無二であり、顔や歩き方と異なり常に一定で、変えたり装ったりすることはできない。
長距離探知機
米陸軍特殊部隊の要請でペンタゴン(国防総省)向けに開発された新たな装置は、顔を見る代わりに、赤外線レーザーで個人に特有の心臓の特徴を検知して人々を見分ける。200メートルの距離でも見分けられるが、もっと遠くでも、より良いレーザーがあれば作動する。「宇宙から探知できると言うつもりはありませんが、もっと長距離でも探知可能なはずです」と国防総省のテロ対策技術支援局のスチュワード・レマリーは言う。
接触型の赤外線センサーは、患者の脈拍を自動的に記録するのによく使われる。こうしたセンサーは、血液の流れによって起こる赤外線の反射光の変化を検知する。一方、「 …
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