KADOKAWA Technology Review
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Scape; Photos edited by MIT Technology Review
カバーストーリー Insider Online限定
Mapping the world in 3D will let us paint streets with augmented reality

画像から位置を割り出し、
次世代GPSの地位狙う
英スタートアップ企業

ロンドンを拠点とするスタートアップ企業スケープ(Scape)は、複数のカメラ画像を使って超精密な位置情報を割り出せる技術を開発している。ライダーなどのレーザー技術を使うよりも安価で済むのが特徴で、同社はこの位置情報サービスをインフラに育てていきたい考えだ。 by Charlotte Jee2019.04.22

テクノロジー楽観主義者を信じるなら、10年後には自動運転車がいたるところを走り、ドローンが小包を配達し、ロボットが食料品を運んでいることだろう。そして近いうちに、都市は拡張現実(AR)を使って塗りたくられ、ARのオブジェクトが街並みの一部であるかのように感じられるはずだ。

そのいずれかが実現するかどうかは分からないが、この未来図を完成させるには非常に重要な要素がある。超精密な位置情報テクノロジーだ。GPSとスマホの地図アプリ上をさまよう青い点は、知らない街を歩く人間を案内するのには便利だが、機械にとっては十分ではない。機械にはセンチメートルレベルまで詳細に位置を知る必要があるからだ。

ロンドンを拠点とするスタートアップ企業のスケープ(Scape)は、超精密な位置情報を提供するテクノロジーを提供できると考えている。共同創業者であるエドワード・ミラーCEO(最高経営責任者)によると、同社のビジュアル・ポジショニング・サービス(VPS)はGPSと複数のカメラ画像を使うことで、2~3秒以内に正確な位置を特定できるという。正確な3Dマップを作成するために、これまでニロンドン、サンフランシスコ、パリ、モスクワ、東京など世界中の100以上の都市の通りの画像を20億枚以上収集。従業員が自転車にカメラを取り付けて街中をサイクリングして集めたデータもあり、スケープのプラットフォームはどんなソースからの画像でも処理できるという。

実際にはスケープのアルゴリズムは、任意の画像から「POI(Points o …

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