暗号通貨「大暴落」でもVCがブロックチェーンに投資し続ける理由
暗号通貨市場は現在、長い低迷期にあり、以前の熱狂は消え失せたかのようだ。しかし、ベンチャー・キャピタルは、暗号通貨トークンの短期的な価格変動と、ブロックチェーン技術による「非中央集権型金融」の将来性は別物であるとして、依然としてブロックチェーン関連企業に大きな資金を投じている。 by Mike Orcutt2019.04.11
暗号通貨は一時的な成功を収めたに過ぎないのだろうか?2年足らず前、ビットコインの価格が急上昇し、一夜にして大富豪になった人もいた。その後、コインの価格は暴落し、元に戻ることはなかった。さまざまなプロジェクトが頓挫し、多くの人が職を失い、2017年に巻き起こった熱狂の大部分は消え失せた。ブロックチェーンのテクノロジーは期待されたほどのものではないのだろうか?
ベンチャー・キャピタリストたちに言わせれば、それは愚問である。彼らにとって10年物のテクノロジーであるブロックチェーンは、いまも変わらず金融の未来に関わる長期的な投資先だ。暗号通貨市場の短期的な価格変動は問題ではない。暗号通貨研究と投資商品を提供するコインシェアーズ(CoinShares)のメルテム・デミロースCSO(最高戦略責任者)は、デジタル通貨市場とデジタル通貨関連プロジェクトへの投資市場を混同するのは誤りだという。「(後者は依然として)大規模で非常に活発な市場です」。
実際、ベンチャー・キャピタルはブロックチェーン関連企業に大金を投じ続けている。金融データやソフトウェアを扱う企業であるピッチブック(PitchBook)によると、ベンチャー・キャピタルは2019年の1月から3月の間に、ブロックチェーン関連プロジェクトに約3億3400万ドルもの投資をしている。もっとも大きな取引は、ブロックチェーン・テクノロジーを使って住宅担保ローンを提供するスタートアップ企業であるフィギュア(Figure)に関わるものだ。フィギュアは2019年2月後半に6500万ドルの資金を調達したことを発表している。
これまでのところ、ベンチャー・キャピタルからブロックチェーン関連企業への今年(2019年)の合計投資額は、昨年の総額である55億ドルのペースをか …
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