デマ拡散は保守系高齢者に多い傾向、新研究で判明
2016年の大統領選において、フェイスブック上で「フェイクニュース」をシェアした米国人はごくわずかだった。だが、そのわずかな人たちは65歳以上に偏っていたことが、プリンストン大学などの研究で明らかになった。
サイエンス・アドバンス(Science Advances)誌に掲載された研究は、インターネット上でフェイクニュースをシェアする人々を学術的な手法によって調査した初の試みの1つだ。フェイスブック上でフェイクニュースへのリンクをシェアしていた米国人は、全体では8.5%だった。そのうち、18〜29歳は3%に過ぎなかったのに対し、65歳以上の割合は11%に上ることが今回の研究で判明した。
調査は英国の世論調査会社ユーガブ(YouGov)が2016年4〜11月にかけて、3500人を対象に実施された。うち1300人は自身のフェイスブック上のタイム・ラインへのアクセスを許可した人々だ。
教育や収入、性別がフェイスニュースをシェアする個人の傾向と関係がなかったのに対して、支持政党による大きな違いが見られた。民主党支持者でフェイクニュースをシェアした人は4%に満たなかったのに対し、共和党支持者では18%だった。だが、研究チームによると、保守派がフェイクニュースをシェアする強い傾向があるというより、大統領選中のフェイクニュースがもっぱら親トランプ、反クリントン的な内容に起因する可能性があるという。
この調査は、デマに対するあらゆる取り組みは、若者よりは高齢者を重点的に対象とすべきことを示唆している。年齢との相関関係は、デジタル・メディア・リテラシーの差を反映しているのかもしれない。