KADOKAWA Technology Review
×
MIT教授に聞く、中国vs.米国「テクノロジー競争」の行方
Tony Luong
ニュース 無料会員限定
China vs. the US: Who wins and who loses

MIT教授に聞く、中国vs.米国「テクノロジー競争」の行方

人工知能(AI)や量子コンピューティングなど、さまざまなテクノロジー分野で中国の存在感が急激に高まる一方で、知的財産に関する問題などを巡って米国との対立は激しさを増している。中国のテクノロジー事情に詳しい、北京出身の経済学者ヤーシャン・ホアン教授に話を聞いた。 by Will Knight2019.01.10

北京に生まれ、ハーバード大学で教育を受けたマサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院大学のヤーシャン・ホアン教授は、中国の企業家の努力と、驚異的な成長に対して中国政府が果している役割をつぶさに観察している。MITテクノロジーレビューのウィル・ナイト上級編集者が、変化を続ける中国のテクノロジー事情についてホアン教授に話を聞いた。

——どのテクノロジー分野において、中国は先行していますか?

人工知能(AI)とビッグデータに関しては、中国が突出して先んじていることは疑いようのないところです。これらは政府による政策や、「社会信用システム」のようなものにも関わってくる分野です。

生命科学についてもよく語られています。この分野の発展が速いのも、ある程度はAIと同様の理由だと言えます。プライバシーに関する批判や安全性の考慮、規制による制約などを受けることなく突き進んでいる状況です。

大雑把に言ってしまえば、制約がなければ科学はとても急速に発展するのです。

巨大な資本が求められる分野や、政治的な目標と一致するようなあらゆる分野で、中国が前進することが予想されます。たとえば、量子コンピューティング、さらにはマイクロチップなどもそうかもしれません。

——金融、人材、知財について、中国はどれほど米国に依存しているのでしょう?

中国は、金融の面では米国に依存していませんし、人材も米国に輸出しています。知的財産に関しては …

こちらは会員限定の記事です。
メールアドレスの登録で続きを読めます。
有料会員にはメリットがいっぱい!
  1. 毎月120本以上更新されるオリジナル記事で、人工知能から遺伝子療法まで、先端テクノロジーの最新動向がわかる。
  2. オリジナル記事をテーマ別に再構成したPDFファイル「eムック」を毎月配信。
    重要テーマが押さえられる。
  3. 各分野のキーパーソンを招いたトークイベント、関連セミナーに優待価格でご招待。
【春割】実施中!年間購読料20%オフ!
人気の記事ランキング
  1. Why handing over total control to AI agents would be a huge mistake 「AIがやりました」 便利すぎるエージェント丸投げが危うい理由
  2. An ancient man’s remains were hacked apart and kept in a garage 切り刻まれた古代人、破壊的発掘から保存重視へと変わる考古学
MITTRが選んだ 世界を変える10大技術 2025年版

本当に長期的に重要となるものは何か?これは、毎年このリストを作成する際に私たちが取り組む問いである。未来を完全に見通すことはできないが、これらの技術が今後何十年にもわたって世界に大きな影響を与えると私たちは予測している。

特集ページへ
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を発信する。

特集ページへ
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る