KADOKAWA Technology Review
×

ニューズラインエマージング・テクノロジーの最新情報をお届け。

「女子大卒は減点」アマゾンのAI採用、男性優遇判明で廃止に
#WOCinTech chat | Flickr
Amazon ditched AI recruitment software because it was biased against women

「女子大卒は減点」アマゾンのAI採用、男性優遇判明で廃止に

人工知能(AI)アルゴリズムの訓練に使われたデータが、男性の就職希望者を優遇する傾向を生んだ。

ロイター通信の報道によると、2014年、アマゾンは就職希望者に対して1つ星から5つ星でランク付けをする自動システムの開発に着手した。しかし、このシステムが技術職において男性志願者を優遇していることが分かり、2017年に廃止した。

このAIツールは、アマゾンがそれまで10年間に渡って受け取ってきた履歴書のデータを元に訓練された。テクノロジー産業は男性優位分野であるため、履歴書の大部分は男性から送られてきたものだった。

システムは意図せずして、男性志願者を女性志願者よりも優先して選ぶように訓練されていた。報道によれば、「女性の」という言葉や、特定の女子大学の名前を含む履歴書を減点するようになっていた。アマゾンは、システムがこれらの条件を中立なものとして判断するように変更を加えたものの、プログラムが他のあらゆる分野において本当に性別に対する偏りがないか、自信を持てなくなったという。

私たちはAIを本質的にバイアスがないものとして扱うことはできない。バイアスのあるデータでシステムを訓練すれば、アルゴリズムもまたバイアスを含むことになる。もし、今回のような公平性を欠いたAI人材採用プログラムが導入前に明るみにならなければ、ビジネスに長年根付いている多様性の問題の数々は解決されず、むしろ固定化されてしまうだろう。


【お知らせ】MITテクノロジーレビューでは、過去の人気記事をまとめたeムック人工知能は公平か?を有料会員限定で公開しています。バイアスや説明責任など、「AIと倫理」に関する記事を収録したPDFデータです。

エリン・ウィニック [Erin Winick] 2018.10.11, 10:24
日本発「世界を変える」U35イノベーター

MITテクノロジーレビューが20年以上にわたって開催しているグローバル・アワード「Innovators Under 35 」。2024年受賞者決定!授賞式を11/20に開催します。チケット販売中。 世界的な課題解決に取り組み、向こう数十年間の未来を形作る若きイノベーターの発掘を目的とするアワードの日本版の最新情報を随時発信中。

特集ページへ
MITテクノロジーレビューは有料会員制サイトです
有料会員になると、毎月150本以上更新されるオリジナル記事が読み放題!
フォローしてください重要なテクノロジーとイノベーションのニュースをSNSやメールで受け取る